三段重箱 扇面日の出波蒔絵(7寸)1,650,000円(税込)
三段重箱(胴張型・金縁)扇面日の出波蒔絵は、
御目出度い扇に、長寿の象徴「松」と福が押し寄せてくる意の「波」を
金・銀、青貝螺鈿を用いて、豪華に蒔絵した優美な屠蘇器です。
胴張型とは、縁が外へ向けてふっくらと張り出している形です。
まっすぐな形に比べて雰囲気が柔らかく、上品な印象です。
曲面は、ぶ厚い縁材をカンナで削り出して作られています。まっすぐな形よりも縁材が沢山必要で、手間のかかる、贅沢なつくりです。
扇面(扇)は、日本で作られた日本特有のもので、末が広がる形から 「末広」 ともいい、
発展や拡大を意味する縁起のよいもの、とされ、古来より愛され続ける吉祥模様です。
扇面(扇)は、魔除けや厄除け、吉運招来など、非常に強い力をもつものとされ、
謡曲・舞踊・落語などの芸能にも使われるなど、日本の生活文化の中で、重要な位置をもしめてきました。
隅の丸くカーブした部分は、光の当たり方が平面とは違って、蒔絵が一層美しく見えます。
ふんだんに使用した金が、豪華に美しく輝きます。
寄せては返す、途切れることの無い波は、幸せがとどまることなく押し寄せる、の意を表す吉祥模様です。
各段に施した金縁は、いっそう華やかな印象。
格調高い重箱です。
隆々と盛り上がった高蒔絵の松。
松は、年中緑を絶やすことがなく、長寿の象徴として好まれ描かれるおめでたい題材の一つです。
金の高蒔絵に、青貝がきらりと光っています。
蒔絵中の写真です。描いては研ぎ、描いては硬化させ、、、の繰り返し、根気のいる作業です。
この扇面日の出波蒔絵の蒔絵作業は、完成まで約6か月かかりました。
末永くご愛用頂きたい輪島塗の重箱は、高価です。
しかし、その製法から、キズや割れ・欠けなどの不慮の事態でも
輪島の産地で修理すれば、また末永くお使い頂けます。
使い傷や、天然漆だからこその色褪せ・やけなども、
目立つようになりましたら、何かの機会(冠婚葬祭などや法事、新築など)に、輪島へ塗り直しに出してください。
新品のように美しく蘇って、また何年も何年も、気持ちよく末永くご愛用いただけます。
輪島塗は、修理やメンテナンスを繰り返しながら、存分にお使い頂きたい、また末永くご愛用頂きたい漆器です。
輪島塗の取り扱いは簡単です。
屠蘇器も重箱も、雑煮椀も、ぬるま湯で洗ってください。
油汚れは、台所用洗剤を使います。この時は柔らかいスポンジで。
つけおきも大丈夫。
輪島塗は、工程のところどころで水を使い研いでいます。
しっかり仕上がっているからこそ、水は平気なのです。
そのあと、長くしまっておくときは、さっと熱いお湯をくぐらせ水気をきって、
柔らかい布で良く拭いてください。
次のお正月まで使わない重箱は、しっかり汚れを落として、
ついでに磨きながら、艶や蒔絵を楽しんで。
そして、あまり乾燥しない場所(部屋の低い所)にしまってください。
輪島塗の、まるで鏡のような美しい光沢は、呂色しあげという艶上げの工程で生まれます。
艶を上げる工程は、上塗りのあと、炭で研いで表面を平らにし、細かい粒子の磨き粉で表面を美しく整え、うすく漆を塗って硬化させ、職人が手で磨いて艶を出す技法です。
炭で研いだ「傷」に漆が入り、塗面がより均一になり、美しく輝くのです。
美しいだけでなく、機能的でもあります。
手で持った時に器に手跡がつきますが、呂色仕上げを施してあれば、柔らかい布でさっと拭けばきれいになりますから、心配なく使いやすいです。
三段重箱(胴張型・金縁)扇面日の出波蒔絵 1,650,000円(税込)
重箱寸法: 幅21.2cm 奥行21.2cm 高さ21.2cm(7寸)
平台寸法: 幅25.8cm 奥行25.8cm 高さ3cm
↓下のオンラインショップに、専用買い物かごをご用意しています。
「輪島塗を支える職人の技と心意気」はこちら
輪島塗は、多くの工程ごとに専門の職人が腕を振るい作り上げられています。
輪島漆器大雅堂の輪島塗製作は、沢山の職人とその心意気に支えられています。
漆器みがき布、あります。
柔らかく拭きやすい、洗って何度でもお使い頂ける漆器専用布です。
大切な輪島塗のお手入れに、毎日のお掃除に、大変重宝です。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役