輪島塗の座卓を「美しく修理する方法(楽々簡単に送れます)」はこちらでご紹介しています。

末永くご愛用頂いた輪島塗の座卓(座敷机)がその役目を終え、家の片隅に忘れ去られているという事実は、私共・塗師屋にとっては辛い現実です。

「家宝に」と先祖が用意してくれた座卓は、生活様式の変化により、若い子孫に「邪魔者」扱いされ、捨てられてしまうものもあります。

輪島塗座卓テーブル寿松沈金

輪島塗座卓テーブル寿松沈金

近年、たびたびお問い合わせを頂くのは、座卓など輪島塗家具の修理等のご相談です。
ご両親や祖父母が買い求めた輪島塗の家具を、捨てるのは忍びないが、使うには生活様式に合わない・古くなって使いにくい、修理やリフォームができないか、というものです。

現在、輪島では古い家具を買取する塗師屋は無く、このような古い家具は、お客様が直接、骨董屋への売却・ネットオークションでの販売・廃棄処分などをされ、処分されるようです。

しかし、昔の古い輪島塗座卓は、木地や蒔絵・沈金も手の込んだ立派なものも多数あり、処分されるのは大変惜しく、もったいなく、本当は、ぜひ使っていただきたいものと思っておりました。

輪島塗座卓テーブル両側乾漆雀蒔絵

輪島塗座卓テーブル両側乾漆雀蒔絵

どうか、ちょっと待ってください。

おうちにある上等な、高価な「輪島塗の座卓」を、リフォームして使ってみませんか。

座卓を和風から洋風にリフォームすることで、和室だけではなく洋室でも使えるようになります。

今一度、ダイニングテーブルに生まれ変わって次世代に可愛がって頂ければ、輪島塗を愛して手に取って下さったこれまでのお客様の思いを活かし、次世代の家族の思い出を新たに作り出すことが出来ます。

輪島塗ダイニングテーブル小判型布目乾漆

輪島塗ダイニングテーブル小判型布目乾漆

和室でも最近は、椅子や座椅子・回転式で足や腰が楽な椅子など、様々な椅子をご使用になられております。

畳に正座するのがつらい、と、ご使用になられなかった座卓は、足や腰の楽な、従来の座卓より足の長い・背の高い座卓にリフォームすれば、和室の雰囲気・たたずまいを壊すことなく、椅子や回転式の座椅子などと合わせて、より快適にご使用頂けるようになります。

リフォームをご希望の輪島塗の座卓は、弊社(輪島漆器大雅堂)で製造販売した座卓はもちろんのこと、輪島の他社製の座卓でも、輪島塗であれば修理リフォームすることが出来ます。

輪島塗ダイニングテーブル錫布目

輪島塗ダイニングテーブル錫布目

 

◎座卓をダイニングテーブルにリフォームする方法

座卓をダイニングテーブルにリフォームするには、座卓(座敷机)の構造上、足をただ長くすればいいという訳にはいきません。

また、新しく作る部分もきちんと輪島塗に加工して、輪島塗のダイニングテーブルにリフォーム致します。

足をそのまま長くしても、ぐらぐらします

輪島塗の座卓の足の形状は、格調が高く、脱着可能で使いやすいようにと、角型で差し込み式となっておりますため、足をそのまま長くするだけでは、ぐらついて、ダイニングテーブルとしての強度や機能が確保できません。

 

座卓の裏側

座卓の裏側

そこで、輪島漆器大雅堂では、次の方法を考案いたしました。

ダイニングにする工程

1.座卓裏面の幕板(足の強度を増すために座卓の裏側に四角く張り巡らせた背の低い板)を取り外し、新たに木地を埋めて、下地からやり直しいたします。

2.足の形状は、特別な専門知識がなくても取り外しが楽にできるネジ式で、形は丸足または局面が美しい菊型足(弊社オリジナル)とし、お客様のご希望に合わせた長さで新調いたします。
(足の長さは、回転型の座椅子用で使用する場合や、食卓テーブルとして使用する場合など多種の場合にご要望に応じて対応いたします)

3.座卓裏面に、足をつけるための台座(ネジ式)を新たに製作して取り付けます。

座卓の足をネジ式に変える

座卓の足をネジ式に変える

4.輪島塗に加工いたします。
写真は下地と中塗を施し、中塗研ぎまで仕上がった状態で、この後上塗りして完成です。

座卓の新しい足

座卓の新しい足

5.座卓天板の表面(模様部分や角など)が傷んだり汚れたりしていることがあれば、裏面の上塗り後に、ご要望に合わせて見積・ご相談の上、修理もいたします。

 

6.ダイニングテーブルの完成(写真の天板は錫石目加工)

(座卓の表面の蒔絵や沈金はご希望があれば修理可能です。イメージを変える為に、全面的に塗りなおして無地にしたり、蒔絵や沈金を新たに描き直すことも可能です)

ダイニングテーブルに生まれ変わった輪島塗座卓

ダイニングテーブルに生まれ変わった輪島塗座卓

この方法でリフォームする場合の作業期間は約3か月、代金は幅5尺(約150cm)の座卓をダイニングテーブルにする場合、約39万6千円~(税込)で、新しく購入する場合の半分以下の価格で仕上げることができます。

価格は、足の長さによりますので、ダイニングテーブルより短い足の場合は価格は安くなります。

(参考までに、新しく座卓を製作するときの作業期間は約6か月、代金は5尺の沈金付で100万円前後~)

ネジ式の足にリフォームした座卓は、足の取り付け・取り外しが簡単ですので、一時的に収納する場合も簡単です。

リフォームや修理の後は、末永くご愛用いただけます。
長くご愛用頂くうちに、使い傷や艶がなくなるなどの症状が出た場合は、また修理の為に輪島へご相談下さい。
その時、足の修理が不要の場合は、取り外して天板だけお送り頂けますので、足付の場合よりも楽に送っていただくことができます。

座卓のリフォームを希望される方が増えてきましたので、当社ではこの座卓リフォームサービスに今後力をいれていくつもりです。

輪島塗の座卓をダイニングテーブルにリフォームするのではなく、美しく修理する方法はこちらでご紹介しています。

座卓修理に関するお問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ
(見積依頼の写真もこちらから添付できます)