屏風 雲鶴沈金 3,960,000円
幅91(2枚)×高さ173×厚3.5cm
古来、大陸では鶴は千年生きるとされ、瑞鳥(ずいちょう)として尊ばれてきました。
それは、仙人に由来し、日本では七福神の一人に数えられる福禄寿(ふくろくじゅ・福と禄:財と寿:長寿を授ける神)が、つねに鶴を従えています。
日本でも、万年生きるといわれる亀と共に長寿の象徴として喜ばれています。
雲鶴沈金は、鶴の美しい飛び交う姿を表現した大変おめでたい吉祥模様です
沈金は線だけでなく、様々な技法があります。
柔らかそうな鶴の羽根は、立体感があり大変美しく仕上がっています。
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、
しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、輪島ならではの技法です。
立ち姿・飛び交う姿ともに美しい、純白の羽毛を持つ鶴は、瑞祥の鳥として現在でも好んで用いられ続ける、吉祥模様です。
幾重にも重なる波は、「おめでたいこと・良いことが重なりますように」との願いが込められている文様です。
その波間を、「千年の時を生きる」とたとえられる鶴が羽ばたいています。
長寿の象徴の美しい鶴が、重なる波をこえ願いをたずさえ、飛び来る先は、我が家です。
沈金は、川端光峰。現物1点限りです。
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若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役