輪島塗の座卓の手入れ方法がわかりません

Q.数年前に輪島塗の蒔絵の座卓を購入しました。
あまりに美しく、傷つけるのが心配で使わずにいたのです。しかも手入れもせずに。このたび、きれいにしようと思ったのですが、手入れの方法がわかりません。

 

A.座卓の手入れ方法は、難しいことはありませんw

輪島塗の座卓の手入れ方法は、特にこうしなくてはいけない、ということはありません。
簡単なんです。

日常の手入れとしては、ホコリをそっと払って、柔らかい布で拭く。
これで十分です。
柔らかい布は、タオルや手ぬぐいで良し、濡らしてしぼったもので、
拭いて下さい。そのあと、乾いた布で拭けば、水跡が残らず、ぴかっと光ります。

もちろん、蒔絵には影響はありません。

座卓をお食事に使われる時は、酒類の汚れに注意してください。
変色や腐食などの原因になることがあります。
長く時間をおかずに、きれいにふき取っておけば、安心です。

大切なことは、漆は紫外線に弱いということです。
直射日光に長く当たる場所に置かない、使わない時は布をかけておく、などの
ちょっとした気遣いで、少しでも漆の劣化を防ぐことが出来ます。

ですが、長い年月の間に、どうしても漆は劣化します(天然素材なのです)。

その時は、輪島へ修理に出して下さい。
もちろん、蒔絵には全く影響はありません、むしろ美しくなります。

漆を使っての作業ですので、ご自分での補修はなさらない方が無難です。
余計にひどくなった、というお話を良く聞きます。
(椿油を塗る、化学雑巾で拭く、特殊な洗剤を使う、などとおっしゃる方もあるようですが、輪島塗には大敵です)

◎漆の劣化の見分け方

先ほどの手入れの際と同じく、濡らして絞ったタオルなどで、座卓を拭いてみて、
タオルの表面に茶色く色がつくようでしたら、表面の漆が劣化しています。
(劣化の進み具合は、保存状態によります)
また、この時は、見た目も、艶が無くなっています。

輪島へ依頼して頂ければ、美しく蘇ります。

〇使っても使わなくても、漆の劣化は進む。
〇修理すれば、美しく蘇り、また末永くご愛用頂ける。

ので、傷つけるのが心配・もったいないと仰らずに、どうぞどんどんお使いください!

そして、ずいぶんと使い傷が目立って来たり、艶がうせたりした時や、
何かの記念日や大切な日を迎える時などに、修理に出してください。
家族の晴れの日は、美しい座卓で、とおっしゃるお客様もおいでます。

※弊社で承っている座卓修理について、はこちらでご紹介しています。
https://www.taigadou.com/200050/syuri.html

※時代に合わせた座卓のリフォームも可能です。こちらでご紹介しています。
https://www.taigadou.com/zatakureform

※座卓についての様々なことを、こちらでご紹介しています。ご参考ください。
https://www.taigadou.com/nushiya/post82.html

※漆器専用の柔らかい布もあります。
https://www.taigadou.com/price/p29/migakinuno.html

せっかくの美しい座卓を、どうぞどんどんお使い頂き、
心豊かな時間をお過ごしくださいませ。

輪島の産地がある限り修理は可能ですので、どうぞ安心してお使いください。

◎座卓を使う時には

座卓を使われる時には、陶器やガラスの食器を直接のせないようにされると
傷がつきにくいです。

〇お茶を出すときには、茶托を使用する。
〇食事の際には、卓上膳や布を使用する。
〇移動させる時には、引っ張らずに持ち上げる などです。

 

◎座卓の天板に、ガラスをのせて使用する事

汚れや傷防止の為に、座卓の天板にガラスをのせて使用することがあります。

弊社では、あまりお勧めはしていません。

ガラスと座卓の表面の間に、異物や水分が入り混んだりして、座卓とガラスの表面が長い年月の間にぴたっとくっついてしまうことがあります。
これは、修理が大変です。輪島塗の座卓は修理が可能ですし、そのままお使い頂いた方が漆の風合いや質感、模様の美しさをより感じて頂けると思います。

ご不明な点がございましたら、どうぞ何なりとお気軽にお問い合わせ下さいませ。
今後とも輪島塗について、もっと沢山の皆様にもっと知って頂けるように、周知に努めます。

今後ともよろしくお願い申し上げます。