輪島塗の乾漆の座卓に油のしみがついてとれません。どうすればいいの?

Q.乾漆の座卓を食事に使っています。油ものを落としてしまったのか、油のしみがついて、とれません。油汚れの手入れは、どうすればいいのでしょうか。

A.乾漆の表面は、ざらざらしていますが、これは表面に蒔きつけた漆の粉が凸凹しているためで、その凸凹に油汚れが入って残っている状態だと思われます。

こんな時は、工業用アルコールやベンジンなどを柔らかい布につけて、油汚れの部分を良く拭いて下さい。

工業用アルコールやベンジンが無い場合は、消毒用のアルコール(外から帰ったら、手を消毒する・病院の入り口で手を消毒する、あのアルコールです)を使ってください。

そのあと、濡らして良くしぼったタオルや布などで、仕上げ拭きをしてください。

アルコールなどで拭いた時、少し白っぽく拭いた部分のまわりにあとが残ることがありますが、濡らしたタオルなどで良く拭き取れば、あとはきれいになくなります。

◎タオルで拭いた時に、茶色っぽく色が落ちる場合は
この場合は、座卓の表面の漆が劣化しています。そうなると、輪島の塗師屋での修理が必要です。修理のご案内はこちらです。

 

※乾漆(かんしつ)とは

乾漆とは、漆を乾かして粉にし、漆の塗り面に満遍なく蒔いて上から漆を塗り固着させて、 研ぎ出す技法のことです。傷がつきにくく、使いやすい、輪島塗の仕上げの技法のひとつです。

塗面は、少しざらざらした感じに仕上がり、 輪島塗の、鏡面のような呂色仕上げとはひと味違った、 落ち着いた漆の風合いを感じさせます。

※石目乾漆とは こちらでご紹介しています。