棗・金魚蒔絵と飾台のセット 913,000円(税込)
棗・金魚蒔絵と飾台のセット
棗は茶入れですが、白塗りの棗は珍しく、飾って鑑賞していただくのも趣があって良いですね。
愛らしく美しい金魚は富貴繁栄の象徴
現在ではどこでも見られて入手しやすい、ガラスや陶器の鉢で涼しげに泳ぐ金魚は、江戸時代前期までは、庶民は手が届かない贅沢品だったそうで、金魚のいる暮らしは、庶民のあこがれの的、富貴繁栄の象徴でした。
金魚は「金余」
また、金魚の読みは、「金余」の音に良く似ていることから、「金余(金が有り余る)」に通じると言われるなど、金魚は美しく愛らしいだけでなく、あやかりたい吉祥模様です。
金魚を、美しい色研ぎ出し蒔絵にて描いた珍しい白塗の棗。
棗に描かれた二匹の金魚は、色研ぎ出し蒔絵という、手間のかかる蒔絵にて描かれています。
色研ぎ出し蒔絵とは
まず、模様を漆で描いて粗い金粉を蒔き、金粉の固着の為に(通常は半透明の漆を塗りますが代わりに)色漆を塗ります。
硬化した後、先に蒔いた金を研ぎ出します。
金の上部を半分ほど研ぎ出すと、色漆の間から金が見えるようになります。
研ぎ出し蒔絵は、見る角度によって、色漆が多く見えたり、金が多く見えたりして、大変表情が豊かな蒔絵です。高度な技術が生み出す、贅沢な楽しみですね。
漆の色について、白い漆とは?
白は、漆の色では大変珍しい色です。
もともと漆の色は、透ける感じの茶褐色です。
その漆にさまざまな加工をして色漆を作ります。
白の場合は、白い顔料を足して白い色を作りますが、
もともと茶褐色なので、私達が日常目にする紙のような白色には、
なかなかできません。顔料の合わせ具合が、仕上がりの色を左右します。
また、この茶褐色の漆の色は、年月とともに透けが良くなり、
顔料の発色が良くなって、白に近づいていきます。このことも考慮して、顔料を合わせます。
時には、白とは言えないような、白になってしまうこともあります。
この棗は、大変美しい漆芸の「白」を表現しています。
輪島塗に耐える選び抜かれた木地材を贅沢に使用
飾るものを引き立てる美しい形状の飾台。
曲線を多用し、光の具合で漆の輝きや艶やかさを、いっそう美しく見せます。
飾台を支える細く曲がった4本の足は、太い木地から彫りだして製作しました。
輪島塗に耐える選び抜かれた木地を、贅沢に使って形づくられた細く美しい曲線は大変美しく、格式の高い飾台です。
美しい形状と漆の艶は、飾るものをぐっと引き立てます。また、極上の空間を演出します。
棗以外に、香炉やお気に入りの床飾り、愛らしい人形など、季節を問わずお好きに、存分にご活用ください。
棗・金魚蒔絵と飾台のセット 913,000円(税込)
寸法 棗:2.4寸(直径約7 高さ7cm)桐箱入り
飾台:巾22 奥行22 総高さ29 cm 布箱入り
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役