三段重箱 錦松沈金 418,000円(税込)
落札価格の発表(平成29年11月15日締切ました)
183,000円 大阪府 I 様
沢山の入札を有難うございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
輪島塗・三段重箱(隅角胴張型・平台付)錦松沈金は、
御目出度い扇に見立てた金色の、長寿の象徴「松」を
輪島ならではの加飾の技・沈金(ちんきん)にて重なるように幾枚も彫り上げた、お正月にふさわしい重箱です。
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
手で表面を触ってみると、金色の部分が細い溝になって、彫り込まれていることがわかります。
反対に蒔絵は、筆で漆絵を描き、金を蒔きますので、表面は盛り上がっています。
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、輪島ならではの技法です。
この重箱の大きさは、6.5寸の三段重です。
重箱の寸法は、大小様々ありますが、6.5寸の重箱が一番人気の寸法です。
この大きさは、お節料理の場合の容量が、3~4人前といわれます。
三段の重箱は、正面には全体に豪華に沈金を施し、左右には違いがわかるように別のデザインの松を沈金し、背面は無地にして、模様を合わせやすい工夫をしています。
まず、背面の無地を合わせて三段を組み、正面の模様を入れ替えて合わせれば、出来上がりです。
松は、常緑樹で古くから長寿のシンボルとされてきました。
それは、この松が、雨風や寒さに耐え抜く生命力の強さを持っているからです。
沈金は、美しく塗上がり、鏡面のように艶を上げた、仕上がった輪島塗の塗面にノミで彫っていきますので、職人の経験と勘に頼る、失敗の許されない、いわば一発勝負の仕事です。
松葉の交差する部分は難しく、彫る塗面も割れたり剥がれたりしては、職人の技術はいかされません。
塗り師がきちんとした仕事をして初めて、沈金師の技を活かすことができます。
このような技を究めた沢山の職人の仕事のリレーで、輪島塗は仕上がっていきます。
胴張型とは、縁が外へ向けてふっくらと張り出している形です。
まっすぐな形に比べて雰囲気が柔らかく、上品な印象です。
縁の曲面は、ぶ厚い縁材をカンナで削り出して作られています。まっすぐな形よりも縁材が沢山必要で、手間のかかる、贅沢なつくりです。
重箱の内側、重箱の蓋の内側、平台の内側は、鮮やかな朱塗りです。
取扱いは簡単です。
大変美しく高価な輪島塗ですが、取り扱いに特別な方法は必要ありません。
洗う時は、普段お使いの普通にお台所用洗剤(中性洗剤)を使用し、柔らかいスポンジで洗ってください。
よく、「洗った後に、熱いお湯にくぐらせて」といわれるのは、水きれを良くするためです。この場合のお湯は、熱湯ではなく、茶碗を洗う時のお湯の温度で可。必ずしなくてはいけないことではありませんので、そんなに気にしなくても可。
あとは、柔らかい布巾やタオルで拭いてください。
仕舞う時は、漆器同志が当たらないように、蓋との間や一段づつの間に布や紙などをあてておかれると、よいでしょう。
末永くご愛用頂きたい輪島塗の重箱は、高価です。
しかし、その製法から、キズや割れ・欠けなどの不慮の事態でも
輪島の産地で修理すれば、また末永くお使い頂けます。
使い傷や、天然漆だからこその色褪せ・やけなども、
目立つようになりましたら、何かの機会(冠婚葬祭などや法事、新築など)に、輪島へ塗り直しに出してください。
新品のように美しく蘇って、また何年も何年も、気持ちよく末永くご愛用いただけます。
輪島塗は、修理やメンテナンスを繰り返しながら、存分にお使い頂きたい、また末永くご愛用頂きたい漆器です。
輪島塗 6.5寸三段重箱 錦松沈金(隅角胴張型・平台付)418,000円(税込)
三段重箱:w19.8 D19.8 H18.7 cm
平台:w26 D26 H2.8 cm
落札価格の発表(平成29年11月15日締切ました)
183,000円 大阪府 I 様
沢山の入札を有難うございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役