特注品 黒塗りに様々な形の菊が咲き誇る、懐刀・菊尽くし蒔絵
時代劇ではお姫様が、現代では花嫁さんが
懐刀を持っているのを見ることがあります。
この特注・懐刀は、親御さんから娘さんへの贈り物です。
時代劇の時代とは違い、現代では使われることはない懐刀ですが、
お守り・守り刀として、製作されました。
実用品というより、美しい調度品として仕上げました。
ゆくゆくは、親心とともに代々受け継がれることでしょう。
あらゆる花の中で最も精気のあるものとして、
延年長寿の薬とされた「菊」。
菊は重陽の節句(9月9日)が有名で、
重陽の節句に、菊の花を浸した酒を飲むと、長生きができるといわれ、
前の晩に菊にかぶせて、露で湿らせた綿で
体をふくと長寿を保ち、顔をふくと美人になる、といわれます。
また、菊慈童の話は、
菊の下露がおちて谷川になっているところで
水を汲んで飲むと、甘露のように甘く、心がさわやかになり
やがて、不老不死の仙人になった、とか。
この懐刀・菊尽くし蒔絵は、様々な種類の菊を、美しく
また、立体的に配置・蒔絵して
豪華な刀になりました。
金の色も、様々な色実があり、技法も様々なものを組み合わせています。
この辺の工夫は、塗師屋にお任せいただきました。
お客様には製作前に、下図をご覧頂きご相談・ご説明いたしますが、
出来上がりの感じはイメージしにくいかもしれません。
ですが、塗師屋の頭の中には、完成の形が見えています。
どうすればどうなるか。
どうぞ安心して、お任せください。
輪島漆器大雅堂のショッピングサイトはこちらです。http://www.wajimanuri.net/
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役