名刺入れ(めいしいれ)制作中です。

名刺は、営業マンの必需品。しかし、なかなか気に入ったものがみつけられない、と悩んだ輪島漆器大雅堂(株)社長・若島基京雄は、考えました。

「自分で作るしかない。」 社長の道楽は、すべてがここから始まっています。

どれも悩みすぎて、時間がかかるんです。
ちなみに、蒔絵万年筆ができあがるまで約一年(パートナーをみつけるのに時間がかかった)。
矢立ができあがるまで約2年(木地の段階で何度もやりなおした)かかっており、この名刺入れの場合は、形作る素材を考え 試作するのに一年かかりました。

その結果、素材は木製ではなく、乾漆づくりに致しました。
出来るだけ薄く、軽く作りたいために、木製では強度が弱くなり割れてしまうからです。

この名刺入れは、脱乾漆(だつかんしつ)という技法で作られています。
この脱乾漆は、鎌倉時代の仏像制作によく用いられた技法。大変 軽く薄く仕上がります。
はじめに、石膏などであるていどの型を作り、その型に漆をひたした布を貼りかさねていく。ある程度の厚みになったら、二つに切り、中の石膏を抜き出す。
そして、もう一度型の通りに張り合わせてから、漆をひたした布を再度張り重ねて行く。
漆をつけながら、形を整えていき、上塗りをして形状を仕上げる。
形ができあがったら、上塗りを施す。

脱乾漆は、形は自由に作ることが出来ますが、表面が入り組んでいたりでこぼこしていたりするので、研ぐことが大変難しく、蒔絵も描きづらいのが難しいところです。

簡単にいうと、木地を使わず漆の塗面だけを使って作った名刺入れ、です。

現在は、上塗り中で、まずはたまり朱と溜塗りにしてみようと思っています。
やはり、手仕事の温かさを表したいからです。

営業マンなら、大切なビジネスパートナーに、貴方の事を印象深く覚えていて貰うために、強烈な印象の名刺入れ、誰かとは違う名刺入れ、「それは何?」「実は輪島塗なんです。」と、会話のはずむ名刺入れが欲しいですよね。
弊社・社長のように。

この名刺入れは、6月初めに仕上がり予定です。 仕上がったら、無地のものと蒔絵を施したものを作りたいと思っています。 この名刺入れは、お客様のお好きな蒔絵を描いて、完全特注オーダー品を作りたいと思っています。

世界にひとつしかない名刺入れは、親しい方への、また自分への贈り物にも大変喜んで頂けると思います。

貴方だけの名刺入れを作ります

特注の蒔絵は、難しいと思われるかも知れませんが、大丈夫です。
まずどんなものを描きたいのかご相談頂いて(例えば龍とか花とか風景とか、、)見本になるような輪島塗の蒔絵ものなどをご覧頂き、仕上がりの感じのご説明や価格のご相談のうえ、下図を完成させます。(輪島へお越し頂いて蒔絵作業をご覧頂いたり、金の種類や仕上がりの感じの色々をご覧頂いても良いですし、メールやお電話でのやりとりでも大丈夫です。)

蒔絵にあった地色(名刺入れ本体の色)を、お選び頂いて塗りに入ります。
地色が決まっていれば、塗っている間に蒔絵の相談ができます。

価格は、蒔絵により異なります。ご予算をお伺い出来れば、作図の段階で合わせることが出来ます。(名入れはもちろんできます。)

仕上がり次第、ご覧に入れます。見てくださいね。
名刺入れは、父の日や母の日、誕生日の贈り物、記念日のプレゼントにもいいですよね。

そこで、お願いです。この名刺入れは、完全手作りの輪島塗です。制作には塗り上がるまで3ヶ月を要します。蒔絵の場合は、ここから一ヶ月ほどみていただきたい。
輪島塗特注名刺入れは、どうか、来年の父の日母の日や来年の記念日のために、時間に余裕を持ってご注文頂きたいのです。

漆の硬化は、時と共に進み、漆の透明度も上がり色も美しくなります。
待って頂く時間は、貴方の輪島塗名刺入れを「育てる時間」だと思って、ゆっくりお時間を下さい。
どうぞ、お願い申し上げます。

漆器はいいですね。環境にも人にも優しい、そしてあたたかい。漆(うるし)をもっと身近に感じて欲しい。輪島漆器大雅堂(株)の願いです。

こんな、ちょっと変わった、一工夫した輪島塗を考えて考えて作るのが社長の楽しみです。社長をう~んとうならせる、無理難題の輪島塗の特注がきたら、社長は、待ってましたとばかりに小鼻をふくらませ喜びます。

輪島塗の名刺入れ、ぞくぞくオーダー中。こちら!