湿気おそるべし

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回転風呂の機械部分が届いてそれを入れる箱を作りました。これで上塗ができます。手始めに中塗をちょっとやってみましたが漆が縮んでしまいます。なんてこった!下手なんだと思い、出来るだけ薄く薄くぬりましたが今度は研ぎの段階で研ぎ破れてしまいました。ひえー!いやいやいや、こんなはずがないと出来るだけ薄くそして研ぎ破れない塗厚を模索しながら何度か試しました。これが迷宮の入り口でした。非常に難しいのです。同じものを10個塗ったら全部がちょっとだけ縮んでいたり、うまくいったと思っていて確認したら2個だけ縮んでいたりと全く安定しません。こんな状態だといつまでたっても商品が仕上がりません。失敗した塗り物の漆をはがすだけでも大変な作業です。困った困った困ったと考えているとなんと!ついに閃きました!最近は雨が多いので湿度が関係しているのではと、、、。仮設工房の床はベニヤ板が一枚だけです。その下は土です。雨が降ると雨水が下に流れてきてしばらくの間水たまりができてしまいます。仮設工房の周辺も水たまりだらけになってしまいます。ははーん、湿気や!湿気に違いない!近くのホームセンターに行き押入れ用除湿剤をたくさん買ってきて回転風呂の中に1リットル用を6個も設置しました。これで安心明日が楽しみだとちょっとわくわくしながら工房を出ました。朝になって早めに仮設工房へ行きました。回転風呂の戸をそーっと引いて恐る恐る塗り物を見ました。どひゃー!縮んどる!縮んどるぞーーー!!!!なんでや!?除湿剤を手に取って見ました。ぜんぜん水がたまっとらん!なんで?どういうこと?除湿剤はなんの役にもたちませんでした。トホホです。どうしたら除湿できるんやと思いながらも今日も一日頑張って仕事をしようとエアコンのスイッチを入れようとリモコンを手にしました。衝撃が走りました!リモコンに除湿というスイッチがあるではありませんか!これや!素晴らしい!なんということや!こんな身近に解決の術があるとは!その日はルンルン氣分で仕事がはかどりました。中塗もしました。今までのこともあるので色々な塗厚のものを少しだけにしましたが。翌朝、回転風呂の中を恐る恐る見ました。ぎゃーーーーー!ちちちちぢんどる、、、、。全部縮んどる。あーあ途方にくれました。やっぱりへたっぴなんや。ポンコツか。家族にこれまでの経緯を話ました。すると息子が「エアコンの除湿って水氣はどこに行っとるん?しっかり除湿されとるんかな?」と言うのです。ホースを通って水氣は外にでているはずです。専用ではないし、湿度何%にするとかというわけではなく漠然と湿気をとるということだけです。いくらかは湿気がなくなっているんだと思いますが、何%といわれるとエアコンでは大雑把過ぎます。おもいきって除湿器を買おうということに至りました。翌日、仮設工房に行き朝のコーヒーを飲んでいたら地震の時に上塗部屋にあった除湿器を倉庫に入れていたのを思いだしました。地震の後まったく手入れもしていなくて汚れたまんまでしたがダメ元で使ってみようと。きれいに拭いてスイッチを入れました。うごく。湿度も調整できます。よし、いける!これしかない!根拠のない自信がふつふつと湧いてきました。部屋全体の湿度を下げる方法で再チャレンジです。回転風呂の戸は開けたままで仮設工房を出ました。翌日、朝早めに仮設工房に行き回転風呂の中をまたまた恐る恐るそーっと見ました。えっ。おっ。遠目には縮んでいない、、、。手に取って見ました。縮んでいない。縮んでいない。縮んでいないぞーー!!!!!やったーーー!うっひょーーー!!!!大きな壁を乗り越えた瞬間です!これで前に進めます。ありがとうございます!ありがとうございます!ありがとうございます!除湿器の水タンクは一晩で満タンになっていました。それを見て大雅堂の職人さんと顔を見合わせて「そりゃあ縮むわな」と言い合いました。湿気はおそろしいとつくづく思いました。