輪島塗の塗師屋の悩み。倉庫の片隅の半端になった輪島塗

2016/06/17 (金)

輪島塗煮物椀 乱れ挽き

大正13年の創業以来、ひとすじに輪島塗の塗師屋をやってまいりました。
沢山の輪島塗を生み出し、沢山のお客様にお納めしてまいりました。


思えば、長い商いの年月のうちには、様々なことがありました。
長年ご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。
有難うございます。

ふと倉庫を眺めましたところ、
あちこちに、ホコリをかぶったままの輪島塗が多数ございました。

試作品や展示品、特注の間違い製作品や企画の型遅れ品、
数が半端になったもの、時代の流れで流通しなくなったものなどで、
いずれもれっきとした輪島塗ですが、そういった訳で、今まで倉庫に眠っていたものです

特定の百貨店様のための企画商品の試作・製作。
〇周年記念セール等のための、特別製作品。
輪島塗は製作期間が6~12か月超と、製作期間が長いために、
製作中にお客様のご都合が変わってしまい、キャンセルになってしまった。
ご注文で製作したが、仕上がったらお客様の気が変わられて、
他の物と交換のため残ってしまった。
技術展などのための、見本を製作した。

通常は5客セット売りが主流の食器類ですが、核家族化に伴い、
懇願され、1個売り・2個売りして、セットをばらしてしまった。

家での行事が減り、揃いの椀や膳などの需要が著しく減少した。
などなど。


何人もの職人たちが、手間を惜しまず時間をかけてこしらえた多くの輪島塗が、
このまま、日の目を見ずに倉庫の片隅に置いておくのは、塗師屋として大変しのびなく、
なんとか末永く喜んでお使い下さるお客様に巡り合えるように、と
特別価格で販売する企画を致しました。

準備ができましたら、ご案内させて頂きます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。