輪島漆器大雅堂の輪島塗新製品・しろがね錫布目が、石川ブランド優秀新製品に認定

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目
石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

平成20年4月11日 輪島漆器大雅堂の輪島塗新製品・しろがね錫布目が、石川ブランド優秀新製品に認定されました。
石川ブランドとは、石川県内の中小企業が開発した新製品を石川県が審査し、優秀な製品に対して与えられる称号です。
石川ブランドは、石川県らしい優秀な新製品を石川県がお墨付きをする制度です。
石川ブランド優秀新製品認定は、輪島塗新商品の開発に力を入れる大雅堂にとって、
大変うれしいことです。ありがとうございます。

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

石川ブランド優秀新製品に認定された輪島漆器大雅堂の輪島塗新製品の名称は、布目を生かし、錫(すず)を蒔いて銀色の艶を出す技法「しろがね」錫布目です。

開発の目的は、輪島塗の弱い部分を補強した商品の開発が不可欠であると考えたことです。

これまでの輪島塗の工程を守りながら、錫を使った表面加工の技術をこの度開発したことにより、
美しい光沢を保ちながら、傷がつきにくく目立ちにくい使いやすい輪島塗を、目指しました。

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

輪島塗新製品・しろがね錫布目の特徴

1.輪島塗の特徴であり、強みである「布着せ本堅地」の布着せの工程は、従来表面にひびかないよう施される壊れやすい部分の補強の為の工程ですが、「しろがね」錫布目は、布着せに使う麻布を、通常より目の粗いものに変え、布目を残しながら下地・中塗りし、錫を蒔いて、器物の表面に布目を残し、また錫の艶を出すことに成功した技法です。

「しろがね」錫布目の表面は、通常の輪島塗のロイロ仕上げの場合と比べ、傷がつきにくく、目立ちにくいので、使いやすくなったといえます。

錫(すず)を用いたのは、銀色でさびにくいからです
輪島塗で錫は、これまでも蒔絵の高上げや代用なしじに使用されてきた親しみのある材料です。

錫の艶出しの方法は、特殊な薬品や特別な機械などを使用したのではなく、職人が根気良く磨き上げる方法です。

石川ブランド認定 しろがね錫布目

2.「しろがね」錫布目の製作には、MR漆を使用しています。

MR漆とは、これまでの漆とは精製の仕方が違う漆です。
漆の精製は、熱を加えながら混ぜ、粒子を分散しながら脱水しますが、混ぜる方法が三本ロールミル方式に変わったことで、漆の粒子はより細かく均一に分散できるようになりました。

精製の方法が変わったことで、漆の粒子は細かく均一になり、耐候性も上がりました。

MR漆を使うことにより、輪島塗の弱点である、紫外線によるやけを、少しでも軽減させることができます。
MR漆は、通常の漆より艶があり、硬化する時間が短いのですが、その分扱いにくく、価格も従来の漆より2割ほど高いです。

輪島漆器大雅堂では、このMR漆の導入にいち早く着手し、製品化に成功しています。
高価な輪島塗だからこそ、大事に末永くお使いいただきたい、と願っています。

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

3.錫は、銀のように錆びる事がなく、艶が落ちてくれば市販の磨き粉などで少し磨けば艶が戻るという、便利なところもあります。
従来の輪島塗の場合は、輪島へ送り返していただき、職人が艶を上げなおす必要があります。

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

4.この「しろがね」錫布目は、これまで、痛みや傷が心配で輪島塗を敬遠されていた方に勧めやすい加工法です。

また、金属的な質感が、これまでの輪島塗をお持ちの方や、和室がないからとおっしゃる方にも、目新しく勧めやすい。
従来の輪島塗らしい商品と比較する材料にもなりますね。

従来の輪島塗とは違った質感の「しろがね」錫布目は、洋風の空間にも似合うようにと、考えた技法です。冷たくも感じられる金属質を、布目が和らげています。

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

花器や壁面パネルに描いた蒔絵は、つる蒔絵です

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

サンキライ・つた・くずの「つる性の植物」は、古来より「連綿と続くこと」を意味する文様として好まれてきました。

色漆のみでつるを描き、最後に「しろがね」錫布目の金属質にあわせて、金を蒔いてあります。

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

無地の「しろがね」錫布目は、傷ややけが目立ちにくく、維持・手入れも簡単なことから、大型の家具も製作いたしました。

座卓や飾り棚も輪島塗しろがね錫布目にして、和にも洋にも似合うように形も工夫しました。

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

また、「しろがね」錫布目は、金属では難しい曲面や変形型にも施すことができます。

私達輪島漆器大雅堂は、輪島塗の完成された工程の中でも、それを守り続けながら新しいものを生み出すことは、輪島塗の未来につながることと考えています。

輪島塗の高度な技を身につけた職人が、輪島塗でない新しいものを作るのは簡単です。
ですが、それでは輪島塗の技術がすたれ、職人がいなくなり、輪島塗と産地が消え去ってしまいます。

輪島塗であること、そこにこだわって、今後とも新しい製品を開発していきたいと、輪島漆器大雅堂は考えます。

石川ブランド認定 輪島塗しろがね錫布目

花器 つる蒔絵15万円(税別)
盛器 つる蒔絵39万円(税別)
壁面オブジェ つる蒔絵16万5千円 (税別)

汁椀 無地1客3万5千円(税別)
コップ 無地1客3万2千円(税別)

家具は、ダイニングテーブル 無地 130万円(税別)
座卓 無地(5尺) 110万円(税別) (小) 90万円(税別)
飾棚 無地 120万円(税別)

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